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![]() 「中検」について中国語検定試験(「中検」)は,主に日本語を母語とする中国語学習者を対象とします。現在,日本の外国語学習では,「読む」「聞く」「話す」「書く」能力,いわゆる四技能の習得が求められています。しかし,一つの外国語を運用するためには,この四つの能力ではまだ足りません。 母語を運用する場合は,この四つの指標からその能力を測ればよいのですが,母語ではない外国語の運用能力を測るためには,母語と外国語の関係を処理する能力をも測らなければなりません。すなわち「訳す」能力です。 「訳す」能力は,母語をマスターしている者が外国語を学習する際に非常に大切な能力となります。なぜなら母語の経験をもとに外国語を学習するためです。例えば日本語のネイティブスピーカーは,日本語で話す場合に相手との関係によって,失礼にならないことばを選んでコミュニケーションを図りますが,外国語を学習する場合も,失礼にならない表現はどれか,自分の気持ちをぴったりと表現することばはどれか,日本語との対応関係から覚えていきます。これが「訳す」能力です。「読む」「聞く」「話す」「書く」の四技能は,いずれも「訳す」能力を必要とするのです。「中検」は,学習者の外国語能力をより正確に測るため,特にこの「訳す」能力を重視し,それを測ることに力を入れています。 さらに,四技能の測り方についても,「中検」は外国語学習と運用のプロセスを分析し,より科学的に設計しています。一般的に,外国語の能力は「運用能力」と「読解能力」とに分けられます。道を尋ねたり,友達と話したりするようなアウトプット的な操りは「運用能力」,雑誌や新聞を読んだりテレビを見たりするようなインプット的な操りは「読解能力」です。この二つの能力を発揮するために必要な語彙,文法などの範囲や熟練度はそれぞれ異なります。「運用能力」は,正確さと熟練度を必要としますが,語彙や文法の量と範囲が限定され,例えば,買い物だけの会話や自己紹介など,内容によっては短期間で身につけることができます。それに対して「読解能力」は,場面や前後関係をある程度ゆっくり考えることができ,必要な熟練度は「運用能力」ほどではありませんが,母語の知識や社会常識などもよりどころにして広く外国語を理解しなければなりませんので,長期に渡る蓄積が必要となります。図示すれば次のようになるでしょう。 ![]() 「中検」は,下の級では「運用能力」,上の級では「読解能力」を測る問題の比重が上がっています。よく「3級は受かったが,2級の壁が高い」といった声を聞きますが,「運用能力」と「読解能力」の関係を理解し,「運用能力」をしっかりと固めつつ,「読解能力」を「広げる」ことが合理的な方法ではないかと考えます。 さらに,漢字文化圏に属する日本には中国語の「読解能力」を高める漢字・漢語語彙がすでに存在します。幼時より漢字・漢語語彙に親しんでいる日本人にとって,この知識はさまざまな場面で重要な役割を果たします。「中検」はこれらのことも十分に配慮して作られています。 昨今,インターネットが普及し,学習形態も多様化しました。しかし,外国語学習の本質が変わることはありません。この外国語学習の本質を科学的に捉え,その成果を全面的に測る「中検」は,今後どのような方向へ学習を進めればよいか,信頼できる指針となるでしょう。 日程
受験資格制限はありません。「中検」と「HSK」との違い「中検」と「HSK」は同じ中国語の検定試験ですが性格を異にする試験です。「中検」は,中国語読解及び聴解能力のほか翻訳能力を問うものです。 「HSK」は,中国語による設問に中国語で答えることを求め,中国語の運用能力のみを問うものであり翻訳能力は問われておりません。 したがって,中検は日本の企業での活躍を目指す方,HSKは中国の大学本科への留学や中国企業で活躍を目指す方に適していると言えるでしょう。 「中検」・「HSK」対比表 試験の目的も出題形式も異なるため厳密な比較はできませんが(※),およその目安は下表の通りです。![]()
「中検」は日本中国語検定協会の登録商標です。 ![]() ![]() |